2030年には世界一の経済大国になると言われているインド!
その手助けとなるのがIT産業と言われており、マイクロソフトやGoogleのCEO(最高責任者)がインド人であるほど、インドはIT産業に特化した国です。
インドのシリコンバレーと呼ばれる「バンガロール」には、数多くのグローバル企業が進出しており、優秀なエンジニアを雇いインドで製品開発を行っている企業も多くあります。
インドが21世紀を代表するIT大国となった背景には、とても興味深い偶然が重なっています。
そこで今回は、現在20兆円近くの規模を誇るIT産業を持つインドが、IT大国となった5つの理由と、インドのIT産業について徹底解説します!
✔︎こんな方にオススメ
- インドのIT産業に興味がある方
- インドがIT大国になった理由が知りたい方
- 実際にインドでIT留学した僕の実体験を知りたい方
✔︎この記事の筆者情報
HikoPro|ITライフハッククリエイター
大学3年生の時に北インドを2週間一人旅をし、インドのポテンシャルとIT産業に興味を持つ。
その後インドのシリコンバレーと言われる「バンガロール」で3ヶ月のIT留学を経験し、Webサービスを開発。
大学では国際経済学を専攻し、卒業論文で「インドのIT産業が発展する要因と、日本の長期投資戦略について」を執筆。
【論文】インドのIT産業が発展する要因と、日本の長期投資戦略について
インドのIT産業が発達していることについて、耳にすることがありますが、その要因は何なのでしょうか。
インドのIT産業が発展する要因は、歴史的な背景や、欧米諸国の影響、インドのカルチャーなど様々な要因が重なっています。
これらについて、インドIT留学経験者で、インドのスタートアップ事情に詳しい僕が、大学の卒業論文にて2万文字程度でまとめました!
今回は、特別に僕が執筆した卒業論文をPDFにして、皆さんにご共有したいと思います!
「このPDF有益!」と感じたら、SNSなどでシェアして頂けると幸いです!多くの人にインドの魅力を知ってもらいましょう!
✔︎PDF資料の中身
- インドのGDPが成長する3つの要因
- 技術進歩【インドの技術進歩について】
- 資本ストック【インドの資本ストックについて】
- 労働力【インドの生産性人口について】
- 多国籍企業がインドにGICを設置する理由【インドIT産業の背景】
- インドのIT産業は2000年問題がきっかけ
- インドのカースト制度によるIT技術者への関心
- リープフロッグ型発展
- リバースイノベーション
- インド工科大学の教育水準の高さ
- スタートアップ企業の増加
- 日本企業のインド長期投資戦略
- インドを消費市場と見るのではなく、開発市場と見る
- インドに開発拠点を構えて、周辺の新興国に対してアプローチする
- 日本の高いモノ作り技術と、インドの破壊的イノベーションを掛け合わせる
- リバースイノベーションを活用する
この論文を執筆するにあたり、参考にさせていただいた書籍をご紹介します!
これらの書籍も非常に分かりやすくて面白いので、もっとインドの経済について知りたい人はぜひチェックしてみてください!
インドのIT産業の基礎知識と経済について
まずはインドのGDP(国内総生産)を見てみると、2.9兆USD規模で世界第6位の経済規模になっています。
GDPの成長率は7.4%となっており、中国の6.3%よりも高い成長率で世界で最も経済発展している国がインドです。
また、Oxford Economicsによると、2019年〜2035年まで世界で最も発展するであろう都市ベスト10では全てインドの主要都市がランクインしています。
また、GDPの総額が多いBengaluru(ベンガルール)、Hyderabad(ハイデラバード)、Chennai(チェンナイ)は全てIT産業が発展している都市です。
世界のトップIT企業GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の開発拠点もBengaluru(ベンガルール)、Hyderabad(ハイデラバード)にあります。
つまり、インドの経済発展を支えている要因としてIT産業が大きく上げられます。
こちらのIT関連のサービス売上規模の推移を見ても分かるように、海外からの請負が大半を占めていることがわかります。
その請負相手の半数以上がアメリカを占めており、IT年のバンガロールにあるITパークではMicrosoftやWework、IBMなどのアメリカの企業のオフィスが立ち並んでいます。
また、同時に国内でのIT関連サービスの売り上げも伸びてきており、インド各地でIT関連のスタートアップ企業が多くできていることも事実です。
テクノロジースタートアップの数では、イスラエル、中国を抜き3位に位置づけています。
アメリカには及びませんが、これからの人口増加やIT技術者の増加を考慮するとイギリスを上回り、アメリカに迫るスタートアップ国になることが予測されます。
インドがIT大国になった5つの理由
今となっては、GAFA企業がインドに巨額の投資をしていたり、SoftBankもインドのスタートアップに投資していたり、世界がインドのITに注目しています。
なぜ、これほどまでにインドのITは発展をして、これからも注目され続けるのでしょうか。
インドがIT大国になった理由は主に以下の5つと言われています。
✔︎インドがIT大国になった5つの理由
- インド人は数学に強い
- 人種差別カーストがインドのIT産業を盛り上げた
- インドとアメリカとの位置関係
- インド人の英語能力
- 世界第2位のスマホ普及率
これらについて詳しく解説をします。
インド人は数学に強い
皆さんも子供の頃学校で、一度は聞いたであろう「インド式数学」
インドには独特の計算方式、数学があり、日本では九九を暗記すると思いますが、インドの小学生達は、2桁のかけ算を暗算もしくは暗記する事ができます。
また日本の小学校では教えない3桁同士の掛け算も、インドの小学校では教えているとのことです。
この数学に強いと言うインド人の特徴が、IT産業を発展させた要因となっています。
人種差別カーストがインドのIT産業を盛り上げた
インドには昔からカーストと呼ばれる、社会身分制度が存在し、階級によって職業が決められていました。
現在はカースト制度は廃止されていますが、今もなお根強くその文化は残っており、身分が低い階級は低賃金できつい肉体労働をさせられているのが現状です。
しかし、カースト制度廃止後に「新たにできた職」に関しては、身分制度関係なく誰でも職につく事ができるのです。
その新たに出てきた新しい職がITなのです。
ITを職につけると、巨万の富を築けることから、子供から大人まで、熱心に勉強しているインド人がとても多く、IT教育のレベルがとてつもなく高いのです。
インドとアメリカとの位置関係
皆さんご存知でしたか?インドの裏側にアメリカがある事を、、、
そうアメリカが深夜12時の時、インドは正午12時なのです。
もうお分かりですよね??
インドとアメリカが連携すれば24時間休むことなく、仕事を進める事ができるのです!
例えばアメリカが18:00の仕事終わりに、インドへ仕事を依頼したとしましょう。
その時インドは朝の6:00なので、朝出社するとアメリカから仕事の依頼が届き、すぐに作業に取り掛かることができます。
アメリカ⇄インド この関係がインドをIT大国へと導いた偶然の出来事なのです。
インド人の英語能力
インドは元々イギリスの植民地であったことから、英語をネイティブのように話す人がとても多いことで知られています。
インド人で英語を話す事ができる人数は約1億人と言われており、インドのシリコンバレー「バンガロール」に行けば英語が飛び交っています。
なぜここまで英語が堪能なのかと言うと、インド人の性格にあります。
インド人はシャイな人が少なく、おしゃべりな人が多いです。
また何にでも興味をもち好奇心旺盛なので、外国人を見かけたりするとすぐに喋りかけに行きます。
よく見かける光景が、インド人同士が英語で話しています。
とにかく英語をアウトプットする機会がとても多いのです。
その為、世界中にIT産業を展開する事ができたり、世界のIT企業がバンガロールに拠点を置いたりしている事が、インドがIT大国になった理由と考えられます。
世界第2位のスマホ普及率
インドは貧困というイメージで、スマホなんか持っている人は少ないとイメージされる方が多いと思いますが、そんなことはありません。
調査会社のCanalysによると、インドは2017年第3四半期のスマートフォン出荷台数が4000万台を超え、米国を抜いて世界第2位のスマートフォン市場になり、出荷台数は前年同期比で23%増加し、中国に次ぐ2位となりました。(出所:CNET Japan)
またインドではLTEの普及率が著しく上昇しており、2021年までにはインド全体で65%を占めるだろうと言われています。
スマホ普及率、LTEの普及率の上昇がインドがIT大国になった理由の1つとして挙げられます。
インドがIT大国になった5つの理由まとめ
ご紹介した5つの他にもインドがIT大国となった理由はありますが、大きな要因はご紹介した5つになります。
今後も、人口が増加、スマホ普及率の増加、によりさらにIT産業も発展する事が予測されます。
インドの平均年齢は約25歳とまだまだ優秀なエンジニアの卵が眠っており、将来的にはアメリカのシリコンバレーをしのぐ可能性もあります。
今度のインドIT産業には要チェックです!
バンガロールのIT留学体験談→ 【インドIT留学体験談】3ヶ月間で学んだ事成し遂げた事
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